不妊への対応

不妊への対応

 

平成284月以降、不妊治療に対しての助成金制度の改正なども手伝って、病院での治療が身近なことになってくるかもしれませんね。

 

これを受けてというわけではありませんが、今日は東洋医学で不妊をどのように捉えて治療を考えているのか、その概要に触れたいと思います。

 

まず東洋医学(中医学)では、不妊の原因となっている体の状態が大きく四つに分類されています。

・腎気の虚弱

・精血の不足

・寒邪の停滞

・気の滞り

 

「腎気」というのは、人の生命電池のようなものと考えてもらえれば良いかと思います。

この電池は、お腹の中でお母さんから子供に分け与えられるもので、この力が弱いと分けられるエネルギーも少なく妊娠もし辛い状態になってしまいます。

 

「精血の不足」は、簡単に言って血液の不足と考えて良いかと思います。

貧血症状などが多い方などが当てはまることがあると思います。

 

上の二つは、普段元気がなかったり疲れやすいという状態が多い方に当てはまってくる状態と言えると思います。

 

 

「寒邪の停滞」は、よく言われる「冷え」という状態が普段から続いているものです。

手足の冷えが直結する症状とは言い切れませんが、凡そそのような考え方でも良いかもしれません。

 

「気の滞り」は、ざっくりとした言い方にしてしまっていますが、普段イライラ感を強く感じていたり、月経時に血塊が混じることが多い方などが当てはまるかと思います。

 

一般的に、冷えの改善が不妊の解決方法というような見方が多いと感じていますが、実際には冷えがみられない方でもなかなか妊娠できなかったり、逆に慢性的な冷え症状を抱えていても全く問題なく妊娠される方も多くいらっしゃいます。

 

冷えが原因となるのは、幾つかの原因(ここでは大きく四つとしましたが)の中の一つで、ここで挙げた「寒邪の停滞」というみかたも相当大雑把な分類なので、不妊の原因は冷えているから!という情報だけで、懸命に体を温めても解決しにくいかもしれません。

 

鍼灸治療の中では、これらの状態に対して他の臓腑の力を借りて気や血液を補いやすくしたり、体を温める作用を補ったり、滞っている気を流れやすくしたりという状態を助けていきます。

 

 

女性に不妊の要因がある場合、分類や治療方法は古典などにも記載が多く、私の経験的にも比較的解決しやすいとも言えますが、最近の傾向として、晩婚や会社での仕事等で体力的なストレスを受けていることもあり、謂わゆる教科書通りにはいかない状況も増えているところもあるので、解決に相応の期間が必要になる場合も増えているかもしれません。

 

さらに私個人の見解かもしれませんが、男性側に要因がある場合はより解決が難しく、その最も大きな理由は「自分の治療に気乗りしない」というところで、定期的な治療が続きにくいというとこが壁になってしまうケースも決して少なくありません。

 

さすがにこの辺の事には、なかなか関与できないので男性が鍼灸治療を受けつつ不妊の解決を目指す際には、定期的に体のメンテナンスをするような心持ちでいた方が良いようにも思えます。

 

最後に病院なども含めて不妊治療を続け、めでたく出産となったなった場合、女性の体のダメージが想像以上に大きく、産後2年以上も全身的なだるさを訴える患者さんもいます。

 

特に顕微授精を繰り返し続ける中で、ホルモンの調整を続けていた方に比較的多くみられる傾向もあるため、産後の体の調整も含めて生活環境を整えておくことが望ましいのかなと考えています。

 

 

不妊治療後に限ったことではないかもしれませんが、産後に注目が赤ちゃんに注がれると、お母さんの体調不良などが周りに理解されにくいことも多々あるようなので、産後の体調管理についても周囲の理解と協力がより進んでくると良いですね。