陰陽のバランスとリズム

陰陽太極図

今回は東洋医学の真髄とも言える「陰陽論」の(さわりの)話をしてみます。

 

このマーク、一度は何かで見たことがあるという方も多いと思いますし、「陰陽を表しているんでしょ?」と即答できる方も少なくはないかと思います。

 

これは陰陽太極図といって、この世界の全てを表しているともいえるものです。

「この世界の全て」なんていうと、ちょっと風呂敷を広げすぎ!と思うかもしれませんが...

とにかくこの図には、非常に多くのことが表されているんです。

 

 

さて、そもそも「陰陽」とは何でしょうか?

一言で言うと「バランス」をあらわしていると言えます

 

たとえば表と裏の関係(表裏関係)裏があって表がある、裏があるから表がある

そんな関係です

 

そしてこの世界はこの陰陽のバランスによって成り立っていると考えられています。

陰は静的、陽は動的な性質のものとされていて、たとえば男性と女性、左と右、上と下、日と月、天と地、奇数と偶数などなどなど、あらゆるものが陰または陽の性質をもっていると考えられています。

ちなみに上の例は、前者が陽、後者が陰です。

 

さらに上の例を細かく分類することもできます。

男性は陽ですが、大人と子供とすると子供が陽で大人が陰となってきます

何を境に大人と子供とするかの解釈は様々かもしれませんが...

 

この図でいうと白い場所が陽、黒い場所が陰をあらわしているのですが、それぞれの勾玉の中に穴みたいな部分がありますね。

これは、陽の中にも陰があり、陰の中にも陽があるという状態をあらわしています

陰中の陽とか陽中の陰など言って、男性にも大人と子供がいるというなところも表されています。

 

そしてこの勾玉のような形も気になりますね。

この独特な形状が絡み合って循環しているようにも見えます

 

これは陰陽の移り変わり、いわゆるリズムのようなものを表しているといえます。

たとえば夜は陰ですが、どんどん夜が深まってやがて朝(陽)に変わる、冬から春→夏となる季節の移り変わりなど

陰が極まって陽に転ずるという状態もあらわしています。

 

さてこの陰陽の関係、東洋医学いわゆる我々の治療の際にはどのように考えるのか

それは病気の種類や浅深、病気に対しての治療のタイミング(時刻)などが主に関係してきます。

 

たとえば非常に長く患っている病気の治療、病が深い所(陰)にまで達している患者の治療を行うのは、日中すなわち陽の気が盛んな時を選んで、損なわれた陽気を補うようにするというような考え方もします。

 

さらには、長患いや深い所にある病気が治ろうとする時には、一過性にとても重い症状が現れる(極まる)ということも起こり得ます。

 

このように陰陽は人体の状態などにも大きく影響があって、その摂理にしたがうことがより良い治療につながると考えています。

 

最後に私が個人的に非常に面白くおもっているのは、量子力学の確立に貢献した物理学者ニールス・ボーアは、量子物理学と陰陽論を代表とする東洋哲学に類似性があるとして、後半生は東洋哲学の研究をしていたということです。

 

陰陽論は、宇宙(世界)の成り立ちそのものを「説明」しているものですが、どうしても思想的、非科学的と捉えられていまうのも仕方のないことかもしれません。

 

そんな中、量子物理学を提唱した理論物理学者が東洋哲学の研究をしていたということや、現代のコンピュータの技術に重要な二進法は17世紀の数学者ライプニッツが、陰陽論をベースとした「易経(六十四卦)」から発見したということに何かバランスのようなものを感じずにはいられないのは私だけでしょうか。